肩関節脱臼
肩関節脱臼とは?|京都市伏見区桃 永田東洋鍼灸整骨院
肩関節脱臼とは?
肩関節脱臼とは、肩の関節(肩甲骨と上腕骨の接合部)が正常な位置から外れてしまう状態を指します。肩関節は人体の中でも特に可動域が広く、自由に動かせる反面、不安定になりやすい関節です。そのため、外力が加わると脱臼を起こしやすいという特徴があります。
肩関節脱臼はスポーツや転倒によって発生することが多く、一度脱臼すると再発しやすくなる傾向があります。適切な治療とリハビリを行わないと、肩の機能が低下し、日常生活にも支障をきたす可能性があります。
肩関節脱臼の種類と発生原因|京都市伏見区桃山 永田東洋鍼灸整骨院
肩関節脱臼の種類
肩関節脱臼は、脱臼の方向によって以下の3種類に分類されます。
① 前方脱臼(最も一般的)
肩関節脱臼の約90~95%がこの前方脱臼です。転倒やスポーツ中の衝撃により、上腕骨が肩甲骨の前方に外れてしまう状態です。腕を後ろに強く引かれるような動作が原因となることが多く、ラグビーや柔道、バスケットボールなどのスポーツでよく見られます。
特徴的な症状
• 肩の変形(腕が外側に回転し、内側に寄せられない)
• 肩の前面に痛みがあり、動かせない
• 脱臼した側の腕が下がっている
② 後方脱臼(比較的まれ)
前方脱臼に比べて発生頻度は低く、肩関節脱臼の約2~4%を占めます。転倒時に腕が前方に伸びた状態で強い衝撃を受けると、上腕骨が肩甲骨の後方に外れてしまいます。特に、けいれん発作や電撃傷(感電)などの特殊な状況で起こることがあります。
特徴的な症状
• 肩を内側に回せなくなる
• 肩の後ろ側に痛みが出る
• 前方脱臼ほど目立つ変形は見られないが、肩の動きが制限され
③ 下方脱臼(極めてまれ)
下方脱臼は発生頻度が非常に低く、全体の1%以下です。肩関節に強い外力が加わることで、上腕骨が肩甲骨の下方に移動してしまいます。交通事故や高所からの落下など、大きな衝撃によって発生することが多いです。
特徴的な症状
• 腕を挙げた状態で固定され、下げることができない
• 強い痛みと腫れ
• 神経や血管を損傷するリスクが高い
肩関節脱臼の主な原因は、以下のようなものが挙げられます。
① スポーツによる外傷
ラグビー、アメリカンフットボール、柔道、バスケットボールなど、接触が多いスポーツでは、肩を強く打ったり、無理な体勢で転倒したりすることで脱臼が起こりやすくなります。
② 交通事故
車やバイクの事故で強い衝撃を受けると、肩関節が不自然な方向に動き、脱臼を引き起こすことがあります。
③ 転倒
高齢者や骨粗しょう症の方は、転倒による肩の打撲から脱臼につながることが多くなります。
④ 反復性脱臼
一度肩関節を脱臼すると、肩の靭帯や関節包(関節を包む膜)が緩んでしまい、再発しやすくなります。特に若年層のスポーツ選手に多く、適切なリハビリを行わないと、繰り返し脱臼する「習慣性脱臼(反復性脱臼)」になることがあります。
肩関節脱臼の治療方法とリハビリ|京都市伏見区桃山 永田東洋鍼灸整骨院
肩関節脱臼の治療法
① 整復(脱臼の整復操作)
脱臼した肩関節を元の位置に戻す処置を「整復」といいます。一般的に、医師や柔道整復師が徒手的に肩を動かしながら整復を行います。
② 固定
整復後、肩関節の安静を保つために「三角巾」や「装具」で固定します。固定期間は通常2〜3週間程度ですが、脱臼の回数や靭帯の損傷具合によって異なります。
③手術(再発リスクが高い場合)
反復性脱臼がある場合や、靭帯が損傷している場合は、手術が必要になることもあります。代表的な手術には、「関節鏡視下バンカート修復術」や「骨移植手術(ラタジェ手術)」などがあります。
~リハビリ方法~
固定が外れた後は、肩の筋力や可動域を回復させるためのリハビリを行います。特に「腱板(けんばん)」と呼ばれる肩周囲の筋肉を強化することで、再脱臼を防ぐことができます。
京都市伏見区桃山の永田東洋鍼灸整骨院で行っているリハビリ方法をご紹介しますね。
1.骨格矯正(整体)
肩関節脱臼後の骨格のズレを整え、正しい動きを回復させます。
脱臼後は、肩関節を支える骨格(鎖骨・肩甲骨・上腕骨)のバランスが崩れやすくなります。骨格矯正を行うことで、関節の正しい位置関係を取り戻し、肩の可動域を改善します。
主な効果
• 関節のアライメント(位置関係)を調整:脱臼後に微妙にズレた骨格を整え、肩関節の動きをスムーズにする。
• 肩周囲の筋緊張を軽減:関節がズレることで無意識に筋肉が緊張するため、矯正することで余計な負担を軽減。
• 猫背や巻き肩の改善:肩関節のズレとともに姿勢が崩れることがあるため、全体的なバランスを整える。
骨格矯正を行うことで、肩の動きをスムーズにし、脱臼後の違和感や痛みを軽減できます。
2. 肩甲骨剥がし
肩甲骨の可動域を広げ、肩関節の負担を軽減させます。
肩甲骨剥がしとは、肩甲骨周囲の筋肉や筋膜の癒着を解放し、可動域を広げる施術です。肩関節は肩甲骨と連動して動くため、肩甲骨の動きが悪いと肩の可動域も制限され、再脱臼のリスクが高まります。
主な効果
• 肩甲骨の可動性を向上:肩甲骨の動きが良くなると、肩関節への負担が減る。
• インナーマッスルの働きを改善:肩関節の安定性を担う筋肉(ローテーターカフ)が適切に機能するようになる。
• 血流とリンパの流れを促進:周囲の筋肉がほぐれ、肩の動きがスムーズになる。
肩甲骨が固まると肩関節の動きに制限が出てしまうため、肩甲骨剥がしを取り入れることで、肩全体の可動域を正常に戻すことができます。
3. 鍼灸
筋肉の緊張を緩和し、痛みや炎症を抑えます。
鍼灸は、肩関節脱臼後の痛みや炎症、筋肉の緊張を和らげるのに効果的です。脱臼後は肩周りの筋肉が硬くなりやすく、特にインナーマッスル(ローテーターカフ)が過剰に緊張することがあります。これを緩めることで、肩の動きがスムーズになります。
主な効果
• 痛みの軽減:鍼の刺激が神経系に働きかけ、痛みを抑える(鎮痛作用)。
• 血流の促進:血液循環が良くなり、肩関節周囲の炎症が早く回復。
• 筋肉の緊張を緩める:特に肩関節を支えるインナーマッスルの過緊張を解消し、可動域を広げる。
また、経絡(ツボ)を刺激することで、自律神経のバランスを整え、肩周りの慢性的なこわばりや違和感も軽減できます。
4. 超音波ハイボルテージ
深部の筋肉や神経にアプローチし、痛みの軽減と回復を促進させます。
超音波ハイボルテージ療法は、超音波と高電圧電流(ハイボルテージ)を組み合わせた治療法で、痛みを和らげながら組織の修復を促します。肩関節脱臼後の炎症や筋損傷、靭帯損傷の回復を早める効果があります。
主な効果
• 深部の炎症を抑える:超音波の微細な振動が深部組織に働きかけ、炎症や腫れを軽減。
• 痛みをブロック:ハイボルテージ電流が神経の痛み信号を遮断し、即時的な鎮痛効果がある。
• 組織の修復を促進:筋肉や靭帯の微細な損傷を修復し、回復を早める。
特に、脱臼後の急性期(痛みや炎症が強い時期)には、超音波ハイボルテージを用いることで、早期回復が期待できます。
まとめ
肩関節脱臼のリハビリでは、骨格矯正、肩甲骨剥がし、鍼灸、超音波ハイボルテージを組み合わせることで、より効果的に回復を促すことができます。
肩関節脱臼でお困りの際は一度ご相談下さい!