東洋鍼灸整骨院グループで行う検査方法
骨盤の歪みチェック
【検査項目】
姿勢バランスの観察、足の長さ比較、股関節や腰の可動域チェック、骨盤周囲の触診、生活習慣のヒアリング
【どのような検査か】
骨盤は全身のバランスの土台であり、歪みがあると腰痛や肩こり、脚のむくみや疲れやすさなど、さまざまな不調を引き起こします。
この検査では、まず立った状態で正面・側面・後ろ姿から全身の姿勢を視診し、肩や骨盤の高さ、頭部の傾き、背骨のカーブ(猫背や反り腰など)を観察します。次に、うつ伏せに寝た状態で左右の足の長さに差があるかをチェック。骨盤の傾きがあると、左右の脚長差として現れることが多いためです。
さらに、股関節や腰まわりを動かしながら、可動域や動きの左右差を確認します。これにより、関節や筋肉の制限部位を把握します。最後に、骨盤周囲を軽く触診し、骨や筋肉の左右差・張り感を確かめ、あわせて足を組むクセ、立ち方、仕事内容など、日常の生活習慣についてもお伺いします。
【検査でわかること】
・骨盤の傾き、捻れ、開きなどのゆがみの程度
・姿勢全体のバランスの崩れ(猫背、ストレートネックなど)
・筋肉の緊張・アンバランス、関節の柔軟性
・生活習慣が与える骨格への負荷
これらをもとに、必要な施術(骨盤矯正・ストレッチ指導など)を提案していきます。
ジャクソンテスト(Jackson Compression Test)
【検査項目】
頚椎(首の骨)から出る神経の圧迫の有無を確認する検査
【どのような検査か】
この検査は、首の神経が圧迫されていないかを調べるものです。患者さんに椅子に座ってもらい、首を後ろに反らせた状態で、頭頂部を上から軽く圧迫します。首を反らすことで椎間が狭まり、もし神経が圧迫されている場合、首から肩、腕にかけて痛みやしびれ、だるさといった症状が誘発されます。
【検査でわかること】
・頚椎症性神経根症、椎間板ヘルニアなどの疑い
・神経根が圧迫されている箇所の特定
・しびれや放散痛の原因の切り分け
首の痛みや腕のしびれ、手の違和感がある方には、必須の検査です。整形外科的な診断との連携を視野に入れた対応も可能です。
SLRテスト(Straight Leg Raising Test)
【検査項目】
腰椎椎間板ヘルニアの有無、坐骨神経の圧迫状況の確認
【どのような検査か】
仰向けに寝た患者さんの片足を、膝を伸ばしたまま徐々に上げていき、腰から足にかけての痛みやしびれの出現を確認するテストです。30〜70度の範囲で症状が出ると、坐骨神経が腰椎由来の原因で圧迫されている可能性が高いと判断できます。
【検査でわかること】
・腰椎椎間板ヘルニアの可能性
・神経の引き伸ばし痛の有無(特にL4~S1領域)
・坐骨神経への圧迫があるかどうか
腰の痛みが足まで放散する方、立ち上がりや前かがみで痛みが出る方には非常に重要なスクリーニング検査です。
ペインフルアークサインテスト(Painful Arc Sign Test)
【検査項目】
肩の腱板(特に棘上筋)の損傷や炎症の有無
【どのような検査か】
患者さんの腕を肩の高さより上に向かって持ち上げていき、60〜120度の範囲で肩に痛みが出るかを確認します。この範囲を「ペインフルアーク」と呼び、肩関節に炎症や腱板の損傷があると、ここで特有の痛みが生じます。
【検査でわかること】
・腱板断裂、インピンジメント症候群の可能性
・肩の筋腱の損傷部位の推定
・五十肩との鑑別
肩を上げる動作で痛みがある方、夜間痛が強い方には必須の検査です。
ドケルバンテスト(de Quervain’s Test/フィンケルシュタインテスト)
【検査項目】
手首の腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)の有無
【どのような検査か】
親指を手のひらの中に入れた状態で拳を握り、小指側に手首を素早く倒します。このとき、親指の付け根(手首の親指側)に鋭い痛みが出れば陽性と判断されます。
【検査でわかること】
・ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の有無
・親指を使いすぎることで炎症が起きていないか
・授乳期の女性やスマホ・PC作業が多い方に多発する腱の異常
手首の痛みがある方や育児・事務作業で手首を酷使している方には、早期発見・対処が重要です。
トーマステスト(Thomas Test)
【検査項目】
股関節屈曲筋の短縮や骨盤前傾の有無
【どのような検査か】
仰向けの状態で、片側の膝を胸に引き寄せるように曲げていきます。このとき、反対側の太ももが自然にベッドについたままなら正常ですが、太ももが浮く場合、股関節の前側の筋肉(腸腰筋や大腿直筋)が硬くなっていると判断します。
【検査でわかること】
・股関節の柔軟性の低下
・腸腰筋の短縮による骨盤の前傾傾向
・腰痛や姿勢不良の間接的な原因
デスクワーク中心の方や反り腰、骨盤の前傾が気になる方にとっては、重要な検査の一つです。
腹診(ふくしん)
― 東洋医学における内臓と体質の状態を"お腹"から読み取る検査 ―
【検査項目】
・お腹の硬さや圧痛(押すと痛みがあるか)
・冷えや熱感の有無
・拍動(脈打つ感覚)や張り具合
・五臓六腑(肝・心・脾・肺・腎)の状態
・気・血・水のバランス
【どのような検査か】
腹診は、東洋医学独自の触診法の一つで、お腹を優しく手のひら全体で触れていきながら、全身の状態を把握します。患者さまには膝を伸ばした状態で横になっていただき、みぞおちから下腹部にかけて、部位ごとに反応を確認していきます。
以下のような部位に注目します:
●心下(みぞおち):ストレスや胃の不調、精神的な緊張
●へそ周り:小腸・脾の冷えや虚弱(体力低下)
●左右の腹直筋:肝・胆の気の滞り、緊張やイライラの反応
●下腹部:腎・膀胱・子宮の冷えや虚、ホルモンバランスの乱れ
一般に、触れて心地よさを感じる「虚証タイプ」は体力不足による症状、嫌がる「実証タイプ」は炎症や緊張の強いタイプとされ、治療の方向性を定める重要な情報になります。
【検査でわかること】
・内臓の冷え、緊張、過剰反応の有無
・自律神経の乱れやホルモンバランスの傾き
・全身の体質(虚証・実証)やストレスの蓄積度
・「気・血・水」のバランス状態や停滞部位
腹診は、鍼灸治療において身体の“内側の声”を聞くような検査です。
脈診(みゃくしん)
― 脈のリズムや質から、体の中の変化を感じ取る診断法 ―
【検査項目】
・脈の速さ、強さ、深さ、リズム、緊張感
・左右の脈の違い
・臓腑(五臓六腑)との関連性
・気・血・水の状態
【どのような検査か】
脈診は、患者さまの手首に3本の指(人差し指・中指・薬指)を軽く当て、それぞれの位置で異なる臓腑の状態を診ていく、東洋医学独自の診断方法です。
■右手
○寸(人差し指):肺・大腸
○関(中指):脾・胃
○尺(薬指):三焦・心包
■左手
○寸:心・小腸
○関:肝・胆
○尺:腎・膀胱
また、脈の状態(脈象)にも種類があり、それによって病の性質を判断します:
| 脈象 | 特徴 | 意味 |
|---|---|---|
| 浮脈 | 浅く表面で感じる | 風邪など外からの病気 (表証) |
| 実脈 | 力強く張っている | 体内の熱・炎症など (実証) |
| 虚脈 | 弱く力がない | 体力低下、気血不足 (虚証) |
| 沈脈 | 深く押さないと感じない | 冷え・内臓機能低下 (虚寒) |
| 数脈 | 速い脈 (1呼吸に7~8拍) |
熱や炎症 (熱証) |
| 遅脈 | ゆっくりな脈 (1呼吸に3拍以下) |
エネルギー不足・冷え |
【検査でわかること】
・内臓ごとのエネルギー状態や不調部位
・体内の「冷え」や「熱」、気の巡りの良し悪し
・病気のステージ(浅いか深いか)
・全体の体質(実証・虚証)や体調の変化
脈診は、まるで体の中の"声"を聴くような繊細な検査法で、東洋医学の診断の中核を担います。
舌診(ぜっしん)
― 舌の状態は「身体の内臓とバランス」を映す鏡 ―
【検査項目】
・舌の色・形・大きさ・潤い
・舌苔(舌の表面のコケ)の色や厚さ
・震えや張り感などの異常反応
【どのような検査か】
舌診は、患者さんの舌を実際に見て、その色・形・苔(こけ)の付き方などを観察する検査です。舌の状態は消化器や循環器の状態、水分バランス、自律神経の働き、免疫力など、多くの情報を反映しており、「体内の鏡」ともいわれます。
舌質(舌本体)でわかること:
●明るい赤色・潤いあり:健康的
●黒っぽく硬い舌:熱や炎症(実証)
●柔らかく薄い舌:体力不足(虚証)
●舌が震える・出しにくい:気虚(エネルギー不足)
●大きく肥大している舌:湿気(湿邪)が体内に停滞
●萎縮して細い舌:心の疲れ・衰弱
舌苔(苔の状態)でわかること:
●白苔:風邪の初期、体が表面で戦っている
●黄苔:胃腸の熱・炎症、食べすぎや消化不良
●厚い苔:病が内部(裏)に入り込んでいる状態
●薄い苔:病の初期・軽度な状態
【検査でわかること】
・内臓の働きや水分代謝の状態
・熱・冷え・湿気などの病的環境
・病気の深さと進行具合
・虚実(体力の有無)やストレス状況
舌診は、治療前後の変化が目に見えるため、患者さん自身が体の変化を実感しやすいのも特長です。
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